血が出る 歯がぐらつく 歯周病?

成田市の歯科医院 歯医者のそらクリニックのスタッフの千葉です。
テレビCMなどでも歯周病というワードをよく耳にすることがあると思いますが
私は大丈夫と過信していませんか?
歯周病は、「サイレントディジーズ(静かなる病気)」とも呼ばれ、初期症状が自覚しづらく、気が付かないうちに進行してしまう病気です。
症状が顕著に現れた時には、既に歯周組織が大きく損なわれていることがあります。
このような症状はございませんか?
◎歯を磨くと時々歯茎から血が出る
◎口臭があるかもしれないと気になる時がある
◎朝起きた時、口の中がネバつく感じがある
◎歯と歯の間に物がよくはさまる
◎歯茎を押さえると膿がでるときがある
◎歯がグラグラと揺れる感じがする
◎歯茎が赤く腫れたり痛む時がある
◎冷たい水を飲むと歯がしみて痛い
実はこれらは、すべて歯周病の症状です。
上記にあてはまる症状がある方は、口腔内に悪い菌がいることが多いです。
歯周病の進行度は大きく4ステージに分けることができます。
1.歯肉炎
プラークがたまり、歯周病菌やカビが歯肉につくことで炎症を起こします。
歯肉炎は歯肉の炎症のみで、骨の吸収はまだ認められません。
2.軽度歯周病
歯肉に炎症が起こり赤く腫れます。
このころから、歯周ポケットが深くなってきて骨の吸収が始まります。
2までの段階であればブラッシングと歯科医院での歯石とりで歯肉の炎症がおさまり健康な歯肉に戻ります。
3.中度歯周病
歯肉の奥の炎症が広がり、歯周病菌が骨を溶かしていきます。
4.重度歯周病
支える骨がほとんどなくなってしまい、最後には抜け落ちてしまいます。
45歳前は免疫力もあるので、歯の本数はそんなに減らないと言われていますが、
45歳以降になると歯周病により歯が抜け落ちることが多くなってきます。
歯周病が全身に及ぼす影響
歯周病の炎症によって出てくる毒性物質が歯肉の血管から全身に入り、様々な病気を引き起こしたり悪化させる原因となります。炎症性物質は、血糖値を下げるインスリンの働きを悪くさせたり(糖尿病)、早産・低体重児出産・肥満・血管の動脈硬化(心筋梗塞・脳梗塞)にも関与しています。
また、歯周病菌のなかには、誤嚥により気管支から肺にたどり着くものもあり、高齢者の死亡原因でもある誤嚥性肺炎の原因となっています。
歯周病菌のひとつP.g菌(Porphyromonas gingivalis)がもつ"ジンジパイン"というタンパク質分解酵素はアルツハイマー病悪化の引き金をもつ可能性が示唆されています。
歯周病治療について
従来の歯周病治療は
1.歯ブラシで磨く (主な治療方法)
2.歯科医院で歯石をとる (主な治療方法)
3.悪い歯茎をメスで切り取る (外科的な治療方法)
4.歯を抜いてしまう (外科的な治療方法)
主な治療の2つは今でも行っていますが、外科的な治療はお口の菌が血管に入ってしまう歯原性菌血症のリスクもあり、それが原因で色んな病気を起こすおそれがあるので
菌がたくさんいる状態での外科的な治療はあまりおすすめではありません。
現在の歯周病治療には、内科的な治療方法があります。
お薬の服用と殺菌作用のある歯磨き粉を併用することにより、口腔内の細菌を殺菌する方法です。
歯周内科治療で行うこと
◎歯周ポケットを測り現状把握をします。◎顕微鏡により、口腔内の菌叢、菌の活動性について確認をします。
◎薬の処方・有効な歯磨き粉を使っての歯磨きの実施を行います。
◎リアルタイムPCR検体採取を行い、専門機関に検体の提出をして口腔内に潜む歯周病の原因菌の種類や細菌数を科学的に検査します。
◎薬が効いている間に歯の歯石取りをします。
上記のような内容を行い歯周病菌の除菌を行っていきますので、痛みなどは特にありません。
ですが、歯周病は感染症ですので、一度歯周内科治療を行い、状態が良くなっても
コップなどの回し飲み、などにより再感染します。
それを防ぐためにもご家族で除菌を行うことを勧めています。
歯周病の予防・治療を行うことで、全身の様々な病気のリスクを下げることが可能です。
日々の歯磨き・口腔ケアを見直し全身の健康につなげましょう。
まずは、ご自身の現状を把握することが大切ですので一度歯医者さんで歯周病のチェックを受けてみることから始めてみませんか?
2025年06月24日 10:23