指しゃぶりたけじゃない ~気を付けて欲しいこと2~

以前のブログで指しゃぶりと同時に気を付けて欲しいことのひとつとして口唇閉鎖不全をご説明させて頂きました。
そちらの内容は下記のURLからブログをご覧ください。
https://sora0064.jp/blog_articles/1741937838.html
今回は2つめに気を付けて頂きたいことについてお話させて頂きます。
それは「舌突出癖」です。
「舌突出癖とは?」
指しゃぶりや、口呼吸が習慣化すると嚥下時に舌が出る癖(舌突出癖)が見られるようになります。この嚥下の仕方を、幼児型嚥下といいます。
通常、飲み込む時は舌が上に上がる動きをしますが、幼児型嚥下の場合飲み込むときに舌が前に出る動きをします。
これは、赤ちゃんが母乳や飲み物などを飲み込む際に舌を前方に突き出す嚥下方法です。
「舌突出癖はいつ頃から気にかければいいのか?」
乳児期(出生~1歳未満)の舌突出は生理的な動きなので問題はありませんが、幼児期(1歳~6歳未満)の子供は、歯の萌出が進み、口唇の閉鎖も上手になってくるため、嚥下時や会話時に舌は通常は歯列内に収まって動きます。
しかし、指しゃぶりが長く続いたり、口呼吸が頻繁にみられる子供は舌を上顎(スポット)につけて嚥下する動きが獲得されにくく、この時期から舌突出癖がみられるようになります。
また、指しゃぶりにより上顎前突や開口などの咬合異常や乳歯の前歯が早く抜けてしまうと、嚥下時のその穴を塞ごうとして舌突出が生じてそれが習癖化する場合があるので注意が必要です。
「具体的な対策について」
幼児期前半(1~3歳未満)・食事時の机・椅子の高さや姿勢に配慮して、口唇を閉じてよく噛み嚥下するように声をかけていきましょう。
・哺乳習慣の長期継続や長時間の指しゃぶり・おしゃぶりは、舌突出を持続させやすいため、卒乳や指しゃぶり癖への対応をしていきましょう。
※指しゃぶりの対策については下記のURLからブログをご覧ください
https://sora0064.jp/blog_articles/1736479965.html
・2歳を過ぎたら、ブクブクうがいの練習を始めていきましょう。
幼児期後半(3~6歳未満)
・日常生活での鼻呼吸・口唇閉鎖と正しい舌位を教えていきましょう。
・食事の際も、口を閉じて臼歯で咀嚼することや、舌を口蓋に挙上して食物を後方に送り込み嚥下できているか観察してみましょう。
・指しゃぶりやおしゃぶり常用による咬合異常が見られる場合は習癖中止に向けて積極的な働きかけをしていく。
・4~5歳になれば、舌癖改善のための指導・訓練も歯医者さんで可能になります。
「舌突出癖がもたらす影響とは?」
歯列・咬合・顎発育の異常 →上顎前突、開咬など発音不全 →舌が正しく使えないので特に、サ行・タ行に影響
口呼吸 →炎症、アレルギー、むし歯、歯周病、口臭など
審美障害 →歯や口元が突出
こちらも、口唇閉鎖不全と同様に見た目の問題だけでなく、発音や虫歯・歯周病など健康面の影響も出てきてしまいます。
お子様の大切な健康を守るためにも今できる対策をしていきたいものですね!
2025年04月08日 12:37